産科とホメオパシーについて

どんな形の妊娠であれ、
最終的には分娩を専門家の手により行います。
この専門家は、
産科医か助産師のどちらかになるでしょうが、
実は助産師の割合がかなり高いはずです。

個人の産科にかかっていると、
分娩の大半を助産師が行い、
最後のへその緒の処置だけを医師が行ったりもします。

また産後の体調管理も殆ど助産師が行い、
産褥のお世話なども専ら助産師が行いますので、
産科の善し悪しは救急の場合を除いて、
助産師の善し悪しであると言っても過言ではありません。

また助産師は開業が認められており、
少子化も手伝って、
数少ない機会を記念に残る形で行いたいと、
助産院で行う場合が増えているようです。

そんな中、
新生児にビタミンK2シロップを与えずに、
その新生児が死亡してしまう事件がありました。
ビタミンKは血液凝固に関するビタミンで、
新生児には入院中に2度、
1ヶ月検診で1度与えることで、
出血による乳児死亡を防ぐことが出来ます。

報道では削除されていましたが、
この助産師は「ホメオパシー
と呼ばれる民間療法の信奉者でした。

そのためビタミンK2シロップを与えずに、
レメディと呼ばれる錠剤を与えるだけで、
この乳児の死亡を引き起こしたのです。

ホメオパシーはイギリスやドイツ、
インドなどでも広く行われている民間療法です。
ただその治療効果にはかなり懐疑的な意見が多く、
しかも反現代医学の姿勢が強いため、
問題も多く起こっています。

個人的にも、
かなり問題が多い治療法であると思いますし、
問題が多い団体だと思っています。

このホメオパシーの団体は、
自然療法を好む人々から指示を受け、
日本の医療関係者にも影響を与えています。
その中でも、
助産師、鍼灸師柔道整復師などは、
開業資格があることも手伝って、
独自の治療法を模索する人間にとって魅力的なのでしょう。

また元々医学的な知識が薄く、
生理学や栄養学、分子生物学などを勉強せず、
感覚的な概念だけで仕事をする人には、
非常に受け容れやすいのです。

これから出産を控えていたり、
何らかの施術で助産院、鍼灸院、整骨院にかかる人は、
よくよく考えて施術を受けましょう。
命に関わる問題が出る可能性があります。

どうしてもホメオパシーをしたい人は、
レメディの飲んでも良いが、
それ以外の治療もしっかり受けましょう。
メンタル的な要因のウエイトが高い疾患では、
一部症状の軽減が見られる人もいますが、
それ以上の効果を期待しては危険です。

本場イギリスでも、
保険の適応はされなくなってきました。
日本で言うなら、
パワースポット巡りに、
医療保険の適応をするようなものですから。
ミサンガや念珠程度に考えて下さい。