産後うつ

 産後うつは珍しいものではなく、
程度の差はあれ結構な頻度で顕れるようです。

 程度の差はあれというのは、
うつ病自体の軽重もありますし、
性格的な傾向もあるからです。

 そもそも産後は、
大仕事を終えて疲れ切ったところに、
新しい未知の生命体との共同生活。
しかも親御さんの協力がなくなる時期になれば、
言葉の通じない相手と1対1での生活です。

 この状況で育児を楽しめるのは相当な強者で、
大抵の人は一度や二度は辛い状況に陥ります。
うつ病といかないまでも、
精神的にも肉体的にもしんどくはなるでしょう。

 そうしたときに適切な治療を受けることが出来れば、
産後の子育てはかなり楽になります。
ただでさえ保健所の指導くらいしか情報源がなく、
怪しげなネットの情報に右往左往しているので、
治療を受けながら情報提供を受けることが出来れば、
言うことはありません。

 ひより堂はそこを目指しています。

 ただ本格的なうつ病となれば、
やはり専門医の指導や投薬が必要であることは、
言うまでもありません。

 治療に於いての優先事項は、
患者さんの健康(命)を如何に守るかです。
うつ病は命に関わる病ですので、
適切な治療を如何に早く受けるかが大事なのです。

 私は東洋医学で施術する人間ですが、
何でも鍼灸でとか、
何でも漢方薬でとは思いません。
むしろ必要な時には、
しっかりと西洋医学の薬を使うべきだと考えています。

 ですから産後うつ病も重度になれば、
しっかりと薬を使い命を守るべきです。
何となく優しそうと言う理由だけで、
漢方薬を使うべきではありません。

 この辺りは専門家の判断次第ですが、
いたずらに鍼灸や漢方でお茶を濁すだけでなく、
しっかりと西洋薬を使った上で、
補助的に鍼灸を受けても鍼灸の良さは変わりません。

 様々な治療と併用できることも、
鍼灸治療の強みであると私は思います。

 これは不妊治療も然りですので、
何が何でも自然妊娠や投薬に反対するのは、
治療家や本人のエゴなのかもしれません。