排卵誘発剤考

 排卵誘発剤は種類にもよりますが、
多くの婦人科医が最初に処方する不妊治療薬です。
比較的医者からすれば出しやすいのでしょう。

 効果も人それぞれですが、
排卵時期が推定しやすいため排卵異常が無い場合にでも、
タイミング法を行いやすくするために処方されます。

 その一方で内膜が薄くなるなどの副作用もあり、
元々自力で排卵していた方が、
服用を始めると薬なしでは排卵しづらくなることもあります。

 では本来どのような人に必要なお薬なのでしょうか?
当然排卵誘発剤ですので、
自力では排卵出来ない人やし難い人が対象です。
自力で排卵出来るけれど、
周期によって排卵時期がバラバラだったりすると、
タイミングが取りづらい。

 勿論旦那さんが元気でタイミングを複数回取れるなら、
排卵誘発剤なしでも問題はありません。
或いは排卵確認に少し頻繁に病院に通うなら、
同じく誘発剤は必要ないでしょう。

 徒に誘発剤を繰り返し使うと、
医原性の不妊に移行してしまいます。
医原性の不妊の場合、
薬がそれ以上使用出来ませんので、
そこから長い身体作りの期間が必要になります。

 これらを考えると誘発剤の適応は、

・自力で排卵出来ない方
・月に複数回タイミングを取れないご夫婦
・現段階で副作用が出ていない方
排卵以外に原因が無い方

と結構狭い範囲の方限定になってしまいます。
実際には婦人科医の考えるほど、
「簡単なお薬」ではないような気がします。