胚盤胞しか妊娠しないのか?

病院によっては、
体外受精や顕微授精で凍結する受精卵が、
胚盤胞でないと意味がないとするところもあります。

病院の言い分としては、
分割が進まない受精卵はどうせ胎内でも育たないということのようですが、
実際にはどうなんでしょう?

年齢や条件にもよりますが、
胚盤胞になる受精卵は全体の約2〜4割程度でしょうか?
その内妊娠に至るのも同様の確率ですので、
最大でも2割弱というところでしょう。

元々体外受精の成功率が1割〜2割というところですので、
結局変わらないのかもしれません。
胚盤胞移植は、
ある意味1時的なスクリーニングとして行われていたり、
確率の低い移植の回数を減らし、
投薬や処置による身体の負担を減らす目的で行われるということでしょう。

では最初に戻りますが、
胚盤胞にならない受精卵は妊娠しないのでしょうか?
これは経験上だけで言うとNOです。
胚盤胞にならない受精卵しか出来ない方でも、
妊娠や出産に至る人は少数ながらいらっしゃいます。

胚盤胞移植しか行わない病院に通院しながら、
胚盤胞が出来ずにキャンセルを繰り返す人は、
思い切って転院するのも一つの方法かもしれません。
当院の患者さんでも、
胚盤胞が全く出来ず、
初期胚のみで妊娠、出産される方は、
年間に数人いらっしゃいます。

自分に合った治療法や病院を選ぶことが、
妊娠への近道です。