妊娠する確立

1.人工授精
色々なHPを見ていても、
体外受精の確立は同じようなものですが、
人工授精には多少違いがあります。
個人的には人工授精で成功する人は、
能力的・機能的には自然妊娠が可能な方が多く、
その分だけ割り増しで成功率が上がるのかなと。
つまり性交自体があまり出来ない、
男性のEDや、
性交自体を何らかの原因でしていない場合です。
それ以外の場合は、
頚管粘液不全などは可能性がありますが、
常に頚管粘液不全の方がどれほどいるのか。
つまりそもそも自然妊娠は能力的に可能な人を含めても、
10〜30%弱程度の成功率ですから、
かなり低い確率であることが分かります。
勿論排卵誘発剤を併用する場合には、
多少条件が異なります。
排卵誘発剤を併用する場合、
数ヶ月以上続ければ、
成功率に関連する頚管粘液不全が、
より酷くなる可能性もありますし、
子宮内膜の薄さも見られるようになりますので、
成功率は当然下がります。
成功者の内、
多くの人が4回以内に妊娠する理由は、
そうしたことにも起因するのではないでしょうか。
2.体外受精
体外受精では、
概ね2割弱程度となっているようですが、
これはそもそも採卵や受精自体が失敗する場合が多いため、
低くても当然でしょう。
良い卵が無事育ったり、
良い精液が採れたりという確立自体が低いということです。
更に良い子宮で迎えてあげるという作業があるため、
実はかなり体調にも左右されます。
やたらと高度な技術や施設に惑わされるのは、
気持ちとしては分かりますが現実的ではありません。
まずはその人(ご夫婦)の身体が大事なのです。
3.顕微授精
体外受精と同様確立は低いですが、
精子の数が限られていても運動率が悪くても、
卵子の中に精子が入るという意味では、
成功率が上がるはずです。
でも実際には15%程度です。
実際に成功率が高くないのは、
体外受精で失敗した人が行っていることや、
比較的高齢である方が多いことが原因でしょうか。
またタイミング法からステップアップした人が、
多くのホルモン剤を長年使っていることにより、
どうしても身体の弱りが強いことも大きな原因でしょう。
4.凍結胚移植
これは一旦凍結した胚(受精卵)を、
1〜数周期経ってから移植する方法です。
ホルモン剤で薄くなった内膜を回復させたり、
OHSSになった卵巣や子宮内を休めることで、
妊娠率が高まります。
また凍結肺移植には、
初期胚を戻す方法から胚盤胞を戻す方法まで、
分割時期により異なった方法があり、
それにより成功率は変化します。
全体では30%弱のようですが、
胚盤胞移植では40%程度まで上がります。
但し胚盤胞になること自体が大変ですので、
胚盤胞を移植するためだけに、
何度も採卵することになるかもしれません。
最近はこの凍結胚移植が主流のようです。
以前は、
「凍結すると卵のグレードがワンランク下がる」
といわれましたが、
それでもトータルでは成功率は挙がっているようです。
4.自然妊娠
これは各人で全く異なりますので、
ほぼ100%から0%となるのでしょうが、
一般的には30%とされているようです。
今までの確立を見ていると、
この30%というのは高いもののようにも感じます。
だって半年以内に妊娠する人が、
殆どのような印象を受けますので。
ただ単に体調が悪いということでの不妊なら、
体調を整えることさえすれば、
2年以内に妊娠する確立は30%どころではないでしょう。
個人的には40%は超えるのではと思っています。
5.全ての治療を駆使して
鍼灸治療や栄養療法にIVFを併用すれば、
最終的に妊娠をする確立はかなり高くなります。
当院でも継続して1年以上治療をして頂いた方の内、
約6割程度は妊娠には至っております。
出産となると少し確率的に落ちますが、
それでも5割程度は出産に至り、
ご報告を頂いております。
ただ残念ながら、
妊娠することなく1年以上も鍼灸を続る方は、
そう多くはありません。
治療には時間がかかると分かっていても、
やはり色々な治療に目移りしたり、
時間的な制限から治療を断念される方が多いのが実情です。
じっくり身体を作って自然妊娠を目指す方や、
高度医療での成績(採卵数や内膜の厚さ)が徐々に悪くなっている人は、
次のステップとして鍼灸や栄養療法はかなり効果的です。