不妊と漢方薬

不妊治療を行う際に、
漢方薬は比較的簡単に処方される薬剤です。
特に温経湯や当帰芍薬散などは、
取り敢えず出されたりします。
薬剤というと抵抗がある方がいるかもしれませんが、
間違いなく漢方薬は薬剤です。
当然作用も大きければ副作用もあるものです。
高度医療の補助的に利用されるものは、
大抵がツムラなどのエキス剤ですから、
実際の漢方薬よりは作用は穏やかですが、
当然その分効きも少ない。
高価な煎じ薬は、
効きも鋭いが副作用もそれなりにあります。
一般の医師は、
恐らくそう効きはしないが、
副作用が少なそうだから出しておこう、
という感覚でしょう。
私は経験上、
漢方薬にも副作用があり、
妊娠し難い身体になる人を見てきましたから、
手放しに漢方薬をお勧めは出来ません。
今までに長期服用している人の中には、
採卵が出来なくなってくる人や、
内膜が著しく薄くなる人がいらっしゃいました。
この方は子宮内膜症を持っていたため、
その症状はかなり軽減していましたが、
妊娠からはかなり遠ざかることになりました。
そこで私が考える漢方薬の使用法は、
1.基礎疾患の治療には使うこともある
2.身体の根本的な弱りにはお勧めしない
3.短期服用は場合にってはかなり効果的
4.長期服用はお勧めしない(概ね半年以上)
5.漢方薬は専門医の四診に基づいて行う
6.ネット診断はお勧めしない
7.数ヶ月に1回、第3者の鍼灸師に脈などを診てもらう