40代の不妊治療

 先週から、
続いて数人が不妊治療の初診で来院されました。
この数人が全員40代だったのは、
最近の不妊治療の傾向からすれば、
驚くことではないのかもしれません。

 40代での不妊治療の難しさは、
残りの時間の少なさ以上に、
今までの歴史が身体に刻まれていると言うことです。

 不養生を続けての40代の治療は、
本当にあらゆる意味で難しい。
逆に言うと、
そこそこ身体に良いことをしていて、
たまたま妊娠する機会が無かっただけの40代は、
そんなに難しくはないのです。

 当然、
長い間不妊治療を続けていて、
心身共に疲れてしまった40代は、
治療効果が出るまでの時間と、
残された時間との競争が、
かなりせっぱ詰まった状態になります。

 まぁここ最近の患者さんを見ても、
40代で妊娠や出産をされた方はいらっしゃいますし、
年齢だけで悲観的になる必要は全くないのです。
ただ、
30代後半や40代で妊娠を希望される人は、
だらだら病院で治療を受けるよりも、
一旦薬の副作用を軽減させるため、
鍼灸や栄養療法などで2〜3ヶ月休養を取り、
その後高度医療でも受けた方が効果的です。

 焦りはわかりますが、
残された時間を有効利用するということは、
少しでも多くの薬を使うことや、
数多くの採卵をすることではありません。

 良い卵を作る体力を作り、
妊娠を維持する体力を作り、
無事出産する体力を作り、
産後の育児をする体力を養うことが大事なのです。
生まれた子は誰が育てますか?
治療だけで身体が疲れていては、
子育てなんて出来ませんよ。