専門病院と一般病院

 元々は同じ科の診療でありながら、
一般病院や産婦人科での不妊治療と、
専門病院での治療は全く違う場合が多いようです。

 一般病院では、
まずは妊娠や出産の機能ありき。
恐らくホルモン値も参考程度で、
その人が、
今の状態で、
確率的に比較的妊娠率の高い方法を選択する。

 専門病院はと言うと、
多くはまずホルモン値や内膜の状態、
採卵数+年齢で判断し、
それらの数値を如何にあげるかで、
治療法を選択する。

 実はこの二つは、
似ているようで全く違います。

 一般病院の場合には、
そんなに無理はしません。
ある意味最低限の積極的な治療。

 専門病院の場合には、
どこまで無理が出来るか。
超積極的でありながら、
ある意味破滅的な治療がなされます。

 恐らく同じような体調の二人が、
同時期に一般病院と専門病院で治療をスタートさせると、
数年後の二人の体調は大きく違います。
勿論結果も違うでしょうが。

 では二つの病院で違いが出る場合は、
どのような場合でしょうか?

1.少量の投薬では全く排卵しない場合。
2.子宮や卵巣の決定的な構造上の問題がある場合。
3.セックスレスの場合。
4.無精子や極度の乏精子
5.その他かなり重度の機能障害

 これらの場合には、
専門病院の強みが出ますが、
機能性不妊の場合には、
あまり両者では差が出難いようです。

 また両者の違いは、
そこで働く医師の違いでもあります。
この医師の違いはかなり大きく、
そもそも専門病院の医師は、
婦人科医としての常識自体がかなり違います。

 そのため、
専門病院の医師を嫌う一般病院の医師が多いのも、
仕方が無いのかもしれません。
専門病院で無茶な治療をされて、
その結果産婦人科に緊急搬送。
無茶な医師の尻拭いをさせられる医師は、
気の毒と言うしかありません。

 またその結果、
妊娠や出産の機会を奪われたり、
返って遠のいたりする女性に至っては、
気の毒などとは気楽に言えません。

 でも専門病院にも素晴らしい医師は存在します。
かなり少数ではありますが、
患者と意見交換をしながら、
身体に負担を掛けすぎずに、
本当に微妙なバランスで治療をされます。

 ただ残念ながら、
こうした医師はあまりネットでは評判が良くありません。
この辺りはネットの怖さでもあります。
情報操作や患者の見る目など、
適切に評価されないことも多々ありますので、
本来なら高度医療を受けるときは、
初診で少しでも多くの病院を訪れ、
納得のいく説明を受けてからにしましょう。

 くれぐれも交通の便や、
派手な広告に騙されず、
見る目を養いましょう。
運命の分かれ道です。