責務

不妊治療をする人の多くは、
不妊治療の専門病院に掛かります。

恐らく大部分の人は、
病院選びをネットの情報を元に行い、
より評判の高い病院を選ぶでしょう。
或いはは説明会等に参加され、
医師を見てからと言う人もいるでしょう。

ただ病院の説明会は、
一通りの流れや治療成績等を説明するだけですから、
病院の善し悪しは分かりません。
分かるとすれば、
医師の雰囲気や病院の雰囲気程度でしょうか。

勿論それはそれで大事ですが、
本当の病院の善し悪しは、
医師と患者の対話があるかどうかです。
患者の希望をなるべく叶える中で、
必要ならばしっかりと患者を諭す。
その患者にあった治療を共に探してくれる。
これが一番大事なのです。

病院が発表する治療効果や成績は、
はっきり言って水物です。
少々言葉が悪いですが、
眉唾とも言えます。

治療効果が高いと言われている病院は、
必要以上の刺激を若い患者に続け、
採れるだけ卵を採った上で杯盤胞にしたり、
強刺激の治療を長い間続けたりする場合もあります。

こうなれば効果が有れば妊娠するけれど、
その後は体調不良になる方も多く出ます。
また医原性不妊にもなりかねません。
必要以上のホルモン剤は、
正常な月経周期を狂わせ、
新たな不妊の原因となります。
そういった意味でも病院選びは重要です。

またそれ以上に大事なのが、
治療に耐えうるだけの身体を作ることです。
病院選びは気にするけれど、
偏食や過食などの食事には無頓着な人が多いことは、
大いに疑問です。

つい先日もそんな方がいらっしゃいました。
鍼が使い捨てがどうかや、
病院の成績は気にするけれど、
毎日3食は食べずにインスタントや食事代わりのお菓子。
これでは病院を如何に拘って選んでも、
元気なお子さんが出来るとは思えません。

しかもその程度の食の知識なら、
産まれてきた赤ちゃんも酷いことになりそうです。
まともに育つとは思えません。
こうしたバランス感覚の悪さは、
恐らく治療にも影響するでしょう。

自分が適切な治療を受けているかどうかや、
自分の身体の状態を正しく知るとか、
そんなことが出来るはずありません。
この方にもかなりきついことを言いましたが、
まずは母親になると言う自覚の元、
身体作りをしましょう。

これは母親としての第一歩であり、
責務でもあります。