OHSS

 今日来院された患者さんは、
採卵の為の刺激でOHSS(卵巣過剰刺激症候群)になり、
その病院の提携病院に入院されました。

 その入院先では、
同じ病院からの入院患者が多く入院しており、
入院中にも更に何人か入院して来たそうです。

 同室の患者さんがたまたま当院の患者さんで、
「ひより堂を検索してみて。」
と紹介をされて本日来院されました。

 今回の採卵数を聞くと、
30個以上も採卵したということでした。
血液検査を見ると、
AMH(抗ミューラー管ホルモン)の値が高く、
低刺激でも十分な数の採卵が出来たのではと思います。

 他院でも過去に一度採卵しているのですが、
その時の採卵数は10個ということですので、
それでも十分ではないかと思うんですけどね。

 この病院は施設の豪華さと知名度
そして料金の高さで有名な病院でして、
それと共にOHSSが発生しやすいことでも有名です。

 命にも関わる自体になりますので、
極力OHSSは出さないのが基本ですが、
この病院では、
どうもそれを承知で投薬を多くしているようです。

 投薬が増えれば料金も跳ね上がり、
採卵数が多くなると、
受精卵の保管料も上がります。
更に妊娠率も多少は上がるでしょうから、
病院にすれば一石三鳥といったところでしょうか?

 ただ患者側からすれば、
身体への負担は大きく、
失敗したときのリスクが高く、
不妊治療の費用も高くつきます。
更に入院費用まで....。

 勿論それが健康な出産にまで至るかどうかは別の話で、
この患者さんも体調はあまり思わしくありませんでした。
受精卵が多く採れても、
出産に至らなければ....。

 またその後の子育てが出来なければ意味がないのですが、
そこら辺はあまり理解されないようです。

※OHSS(卵巣過剰刺激症候群

 排卵誘発剤によって起こることがある副作用。
たくさんの卵胞ができることにより、卵巣腫大、腹水貯留、乏尿、血液濃縮、血栓など重症化すれば入院が必要となる。妊娠すると重症化しやすい。