男性の治療

 最近はやっと男性不妊にも理解が出始めましたが、
研究自体があまり進んでいないこともあり、
やはり女性が主体の不妊治療となりがちです。

 口では協力は惜しまないと言ってはいますが、
自分で色々調べて養生している旦那さんはごく少数ですし、
精子は数と運動率と奇形率さえ大丈夫なら、
後は女性の問題だと思いがちです。

 恐らくこれから様々な男性不妊の原因が、
遺伝子レベルで分かってくるはずですし、
それらが先天的な問題だけでないことも、
徐々に分かってくると考えています。

 そうでなければ男性の治療を行うことで、
今まで成果が出なかったカップルに、
良い結果が出るはずありません。

 奥さんの顔を立てる為に来院したのに、
案外旦那さんの方が状態が悪いことはよくありますが、
そのことを旦那さんに説明してもピンと来ないようです。
或いは自分に何らかの原因があるかもとは、
信じたくないようです。

 だから体調を整えましょうとか、
仕事の疲れが溜まっているでしょうとか、
言葉を選びながら治療を進めます。
あなたが原因の一端かもしれないなどと言えば、
間違いなく来てくれないからです。

 不妊治療の一番の難点は、
夫婦揃っての治療が出来ないからかもしれません。